GUN-KATANA(銃刀) ―Non Human Killer―
人類の敵─人間に酷似した美しい容姿を持つが、内に狡猾でおぞましいものを秘めていると言われる、謎の生命体。 それらは『NON―HUMAN』と名付けられた。 一方、人類はこの強敵と戦うため極秘に戦闘組織『Gate of Ishter』を設立。 組織の戦士たち─敵を狩りたて、殺戮していく者たちは、特殊な戦闘訓練を受けた『スレイヤー』と呼ばれる人間。 そして現代。NON―HUMANとスレイヤーの殺し合いは、未だ続いている。
シナリオ
キャラクター
グラフィック・演出
Hシーン
音楽・ムービー
システム
4

 

「BLACK Cyc」から発売されたエロゲ史上初のFPSアクションADV『GUN-KATANA(銃刀) ―Non Human Killer―』

BLACK Cycのファンを自称しておきながら、FPSが苦手なので長年積んでいた今作ですが、最近になってゲーム性のあるエロゲへの苦手意識が克服できたので満を持してプレイしてみました。

 

作品紹介

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  • 銃と刀を使い分けながら戦うFPSアクションADV
  • 初回プレイ(1周目)のみ、FPSパートの難易度がノーマルorイージーから選択可能
  • 2周目以降は武器やスコア、アビリティの引き継ぎが可能

 

シナリオ

エロゲ史上初の銃と刀で戦うFPSアクションADV

序盤のFPSパートをキャプチャした動画です。大体こんな感じの戦闘システムだと思っていただければ。

人ならざる異形の怪物「NON-HUMAN」を殲滅するために生み出された戦闘部隊「スレイヤー」になる運命を義務付けられた主人公「時原姫菜」。首につけられた殺戮カウンターの数値が最大値に達すれば『自由』を得られるため、NON-HUMANと人間のハーフの義弟「時原雹」と共に自由を求めてNON-HUMANを狩り続ける……というストーリーが展開される今作。

記事のはじめにも書いた通り、わたくしBLACK Cycさんのゲームが大好きで大体のゲームはプレイしているのですが、FPSやTPSが大の苦手でFPSアクションに重点を置いた今作だけはなかなか手が伸びませんでした。

ただ、最近になってゲーム性に富んだエロゲへの苦手意識が克服できたので、ずっと積んでいた今作を改めてプレイしてみたところ、「欠点はあるものの普通にFPSパートも爽快感があって面白いじゃん」と思えて、『GUN-KATANA』の血生臭い世界観にズブズブとハマっていき、無事最後までクリアすることができました(・ω・)

 

何百体と敵がいるステージで刀を振り回して無双するのが最高に気持ち良いのなんの。

 

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人によっては3D酔いでダンジョン探索が大変かもしれませんが、自分の使いやすい武器を見つけたりアビリティ振りをしっかりすれば難易度はそれほど高くないと思います。(FPS慣れしていない+3D酔いしやすい+極度の方向音痴の私でもそこそこ楽しんでプレイできたので)

ただ、マップがとにかく小さくて見づらいのが難点ですね。せめて方位だけは分かるようにしてほしかった。

「ここさっきも通ったっけ?」ということが何度もありましたし、キャンプ襲撃時や対ブラッドイレブン戦はマジで苦労した覚えが。

雹のサポートスキル「空間把握」の便利さに気付いてからは多少楽になりましたが、それでも入り組んだダンジョンはやりづらかったです。あとは細かいですが、アイテムショップでまとめて購入できる機能や一時停止(ポーズ画面)などもあればよかったかなと。

周回を重ねる度に作業感が強まった感じは否めないですが、一度クリアした戦闘パートはスキップできるため実績コンプなど徹底的にやりこまなければ、30時間前後で全エンディングクリア可能だと思います。

そんな感じで、流石に10年以上前の作品かつ一エロゲブランドの開発力なので今風のFPSを期待していると肩透かしを食う可能性が大きいですが、エロゲ史上初のFPSアクションを取り入れた斬新なゲーム性の意欲作だったと思います。

 

主人公を含め、主要キャラクターは魅力に溢れている

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肝心のシナリオについて。平穏に暮らしていたはずの少女が突如、事件に巻き込まれて悲運を辿るーというストーリーは同ブランドの『EXTRAVAGANZA』に通じるものがあり、個人的にぶっ刺さる設定だったので掴みは完璧でした。しかも、血の繋がりがないとはいえ、弟と夜な夜な愛し合うという背徳感のある関係性もグッド。

そして、弱肉強食という自然の摂理と不条理を学ばされ、弱者から冷徹な強者へと仕上がっていく「姫菜」の成長ぶりと生き様がカッコよく、そこらの男性が束になっても勝てないほどの強さを持つという、非常に魅力的な女性主人公でした。

姫菜以外にも、姉思いの義弟「雹」や、謎多き剽軽な男「三柴」、見た目の強面に反して優しい一面を持つ屈強な黒人男性「アーク」など、魅力に溢れたキャラクターが多かったです。

個人的に推したいのは、やっぱり三柴ですね。ルートによっては敵として戦うことにもなりますが、憎めないダンディーなイケおじでした。最初から最後まで三柴の行動は愛する某人物へ向けられていて、愛し合う二人の悲しい結末を見届けたあとは流石に好きにならざるを得なかった。

そんな愛すべき美中年三柴の魅力を存分に味わうために面倒かもしれませんが、Capture、Freedam(ダッシュ含め)、NON-HUMANエンドは最低でもクリアして頂けたらなと。

余談ですが、『蝶の毒 華の鎖』のライターさんがシナリオ執筆していたことに気付いて驚きです。男×男のシーンにやけにこだわりを感じたのはBL畑出身の女性ライターさんだからなのね、と妙に納得してしまいました。

 

エンディングはBADエンド含め全12種類

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ちなみに、エンディングは全12種類で、物語の全貌が分かるTRUEルート的扱いなのは2周目以降に解放されるEuropaエンドでしょうか。

推奨攻略順は特にないですが、私は

escape→Europa→twine→NON-HUMAN→FRSlayer→Capture→not tomorrow→Supreme Dead→Arison-Maiden→Freedam`→Freedam の順番で攻略しました。

2周目以降に解放されるエンディングやイベントが多いので、1周目はescapeをささっとクリアして引き継ぎプレイするのが楽かなと。

BAD寄りのエンディングですが、雹の姫菜への愛情が伝わってくるtwineエンド敵側と共闘するシチュが楽しめて、姫菜の独白が切ないNON-HUMANエンドは特に印象に残ってます。

逆にCaptureエンドはEuropaエンドを先にクリアしたからこそ心が痛みましたね……。

三柴推しの私としては、Freedamエンドで三柴×姫菜の絡みが見れただけでも満足感が強いです。

強いて言えばどのエンディングも、姫菜たちが「本当の自由」を取り戻すことはなくて、少年漫画でいう「俺たちの戦いはこれからだ」と曖昧な終わり方をするのが多いのが欠点でしょうか。まあでも、姫菜自身が戦いの中で「普通の女の子」に戻れないことを実感しているようなので、これはこれでありなのかもしれません。

 

BLACK Cycらしいエログロ描写は健在

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最後に、期待していたBLACK Cyc”らしい”、凄惨な陵辱シーンやグロ・鬱展開は健在だったのも安心しました。

臓器などが見えてない分、スプラッター描写は同ブランドの『ゴア・スクリーミング・ショウ』などに比べたら弱いですが、四肢切断や異物挿入で腹ボコからの死亡シーンはあるので苦手な方は注意です。(ゴアのようにグロ表現緩和が設定できないので……。)

今作は、最凶オナニーマシンの「佳凪」や、みるボイスで紡がれる残忍な女装男子「アネス」、声優さんも同じだし明らかにゴアを意識したであろうネタキャラ「ブラッドイレブン」など、狂人の敵キャラがわんさか登場するので、直接的なスプラッター描写よりも、内面の狂気さを前面に押し出した描写が多かった感じです。

佳凪のようなメスガキキャラは割と好きなんですが、ガチモンの狂人すぎて同情すらできなかったのが惜しいです。ルックスは今作屈指の可愛さなのに残念すぎる……。

 

グラフィック・演出

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  • CG枚数:全112枚(差分抜き)

キャラクターの雰囲気に合わせて描き分けされているグラフィック

原画家はBLACK Cycでお馴染みの上田メタヲさん。今作は企画原案も受け持っているようです。

女性キャラは綺麗系から佳凪のような幼女まで、男性キャラは若いイケメンから筋骨隆々なマッチョまでと、キャラクターの性格や雰囲気に合わせて描き分けがしっかりされていて、表情の微妙な変化まで描かれていました。

久々にメタヲさんの作品に触れたけど、やっぱり良いなあと改めて思いました。

最近の絵柄も良いんですが、BLACK Cyc全盛期のこの特徴的な絵柄が特に好きなんですよね。線が太めで、ちょっとベタっとした塗りがハマっているというか。(上手く表現できないのがもどかしい…)

エロゲ界隈では著名な方だと思うんですが、もっと広く知れ渡ってほしい絵師さんですね。そして一般ゲーの原画も積極的に請けてほしい。これからも応援しています!

 

Hシーン

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  • Hシーン数:全44回

陵辱色の強い過激なプレイが多め

異種姦や触手、異物挿入、手足切断、男同士など過激なプレイが多く、陵辱シーンが多め。Hシーン中にヒロイン死亡などもあります。陵辱と和姦の比率は体感で7:3くらいでしょうか。

シーン数や尺は豊富なので「姉×弟の近親相姦・輪姦・強気な女を薬漬けして屈服させる」などのシチュが性的嗜好に合えばそこそこ実用的に使えるのではないかと思います。

射精時のドビュルッとした特徴的な効果音、あれを聞くと「いまブサイクのゲームをやってるんだ…!」としみじみ感じますね。

1日の終わりに雹×姫菜の絡みがあるんですが、雹の身体の設定上、本番シーンが少ないのが惜しい。

 

音楽・ムービー

  • BGM:全30曲
  • OP曲:Raison d’etre(アーティスト:電気式華憐音楽集団)
  • ED曲:CHAIN(アーティスト:電気式華憐音楽集団)
  • ED曲:夢幻の睡り(アーティスト:電気式華憐音楽集団)
  • 挿入歌:ネムリノマユ(アーティスト:電気式華憐音楽集団)

中毒性の強いデンカレの楽曲たち

『Raison d’etre』は語彙力を失うほどカッコ良くて中毒性が強く、今作のイメージにぴったりな主題歌でした。

エロゲに興味なくてもメタル好きならとりあえず聞こう。れーぞんでー!↑

曲名の意味は「存在意義・存在理由」だそうで。クリアしたあとに歌詞を噛み締めながらじっくり聞くとまた印象が変わって更に好きになりました。

『Raison d’etre』が目立ちがちですが、ED曲と挿入歌も良曲です。『ネムリノマユ』は流れるシーンが反則で涙を誘いますし、『夢幻の睡り』はTRUEエンドに相応しいED曲でした。

 

BGMは作風に合わせた緊張感のある曲や暗い曲が多め。『Non Human Killer』は演出も相まって映画の序盤のようなワクワク感がありました。

個人的に印象に残ったBGMは以下の通り。

  • Non Human Killer
  • The Diarist
  • Raison d’etre(Instrumental)

 

システム

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  • CG鑑賞モード、Hシーン回想モード、音楽鑑賞モード、実績が搭載
  • Windows10(64bit)で動作確認済み(Win8対応のダウンロード版)

古い作品ながら設定項目は一通り揃っている

サイク系列のゲームエンジン。

2007年発売と古い作品ですが、ある程度システムの設定項目は揃っていたので(ADVパートは)快適な環境でプレイできました。

FPSパートの上下振動や流血色の設定、マウス感度は今作独自の設定項目ですね。特にいじらずにデフォルトのままプレイしましたが、マウス感度などを調整すればもっと快適になったのかもしれません。

専用のものを使っている影響か、マウスカーソルをキャプチャしないように設定したスクショソフトを使っても、がっつり写ってしまうのが少し気になりました。あと、FPSパート中に非アクティブ化しようとすると視点がぐるぐる回っちゃったりとか。

 

まとめ

エロゲ業界に新たな切り口で挑戦した意欲作

正直、ゴアや蟲愛、マイブラといった他のブサイク作品に比べたらシナリオもエログロさも一歩劣るというのが本音ですが、出来はどうあれ、進化に乏しいエロゲ業界に新たな切り口から挑んだ挑戦的な意欲作なのでその姿勢は好意的に受け止めたいです。

とにかくFPS・TPSといった類のゲームが大の苦手で食わず嫌いしているんですが、今作を機に本格的なものも触れてみたいと思えたので、そのきっかけを与えてくれたことにも感謝ですね。

シナリオだけじっくり読みたいからゲーム性は邪魔だと思うエロゲーマーさんも少なくはないと思うのですが(私もそっち寄りなので…)体験版などで一度触ってみて意外といけそうだと思ったらぜひ遊んでみてください。

女性がシナリオ執筆しているということで、所々に女性ウケしそうな描写もありましたし、男女問わず剽軽な中年おじさん好きにはおすすめの一作です。