flutter of birds ~鳥達の羽ばたき~
主人公・松井裕作は叔父の持つ地方の診療所で、夏休みを利用した手伝いを頼まれる。 医学生である彼が受け持つのは、診療所の雑用と入院している同世代の女の子達の相談役としてのメンタルケア。 小さいとはいえ初めての医療現場に悪戦苦闘する中、入院患者の少女達や村の中で新たに出会う少女達との絆を深めていく…。 広大な大地とどこまでも続く青い空。頬をなぜる爽やかな風と小さな笑顔。 やがて近づく夏の終わりと共に訪れる穏やかな時間の終焉……。 のどかな大自然をバックに描かれる純愛ストーリーAVG。
シナリオ
キャラクター
グラフィック・演出
Hシーン
音楽・ムービー
システム
4

 

「シルキーズ」から発売された純愛ストーリーADV『flutter of birds ~鳥達の羽ばたき~』

某批評空間での評判が良かったことと、夏の片田舎というノスタルジックな雰囲気に惹かれてプレイしてみました。

 

作品紹介

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  • マップ移動+選択肢で分岐するADVゲームのシステム

 

シナリオ

片田舎の診療所でヒロインと出会い、恋に落ちていく純愛ストーリー

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医学生の主人公は夏休みを利用して、親戚の診療所に手伝いにやって来る。8年ぶりに再会する幼馴染や診療所に入院する患者たちと絆を深め、やがて恋に落ちていく。しかしそれぞれが抱える重い病気や悩みは簡単に解決できるものではなく……というストーリーが展開される今作。

攻略対象ヒロインは、世話焼きの幼馴染で看護師見習い「大気」、幼い見た目に反して大人びた性格の「美雨」、主人公をお兄ちゃんと慕う入院患者「つばさ」、入院歴が一番長いドジっ子「白風」、人との距離を置く入院患者「琴羽」、謹厳実直な看護師「めぐみ」、休暇中の大学生「空」、浮世離れした不思議な少女「メー」の計8名。

舞台は過疎化が進むド田舎の夏。個人的な好みから、その時点で雰囲気点◎をあげたいところ。実際に、じりじりと肌を焼く真夏の太陽や休憩中にヒロインと食べるスイカ、牛の出産の立ち会いなど大自然を感じさせるイベントが多いため夏の田舎特有のノスタルジックな雰囲気にじっくり浸ることができました。

診療所の「患者の意思を尊重して自由にさせること」を第一とした医療方針を聞いたときに、終末医療っぽさを感じて身構えてしまいましたが、共通ルートは基本的にコメディ調でほのぼのと進んでいきます。

個別ルートに入ると徐々にシリアスな雰囲気に変わっていき、ヒロインが抱える病気や悩みが明かされてからの瞬間風力と破壊力は凄まじく、主人公とプレイヤーの心を容赦なく抉ってくるので涙腺崩壊。

ヒロインに対しても主人公に対しても感情移入してしまう心情描写に長けたシナリオは秀逸でした。

病院を舞台にした泣きゲーというだけで大体どういう展開で泣かせてくるのかは想像ついてしまうのですが、分かっていてもなお感動しましたね。ここで泣けよ!と言わんばかりのベタな展開なのに挿入歌を流すタイミングが反則でっ…!

感動要素が強く、ヒロインの中でもメイン扱いの3人(大気、美雨、つばさ)のエンディングは「生存ルート」と「死亡ルート」の2種類に分かれているんですが、印象に残るのはやっぱり「死亡ルート」の方。(正史もそっちだと勝手に思ってます)

とはいえ、「生存ルート」でヒロインが幸せになる道も残してくれたのは素直に感謝したいです。ご都合主義だろうと言われても。

 

惜しむらくは攻略対象キャラが多くて冗長なこと

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古い作品ながら完成度が高い作品でしたが、攻略対象キャラが多く周回を重ねる度に飽きを感じてくる点や、いわゆる「死にゲー」だと分かるとどうしても先読みしてしまい、実際に泣かせ方の手法もワンパターンなので1周目の感動を上回ることがなかったのは惜しかったかなと。

正直、メーや空といったサブヒロインはボリュームのかさ増し要員のように思えて蛇足だったので、大気・美雨・つばさ、白風、琴羽あたりに攻略対象キャラを絞って、その分各ルートの肉付けをした方が良かった気がします。(白風は設定的に死亡エンドがあればもっと感動に結びついたと思うので)

空ルートはまだしも、メールートは他と比べて毛色が違いすぎて異彩を放っていたし、ライターが異なるせいか主人公の性格も変わってるしで失礼ながら必要性を感じませんでした。

 

グラフィック・演出

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  • CG枚数:全175枚(差分抜き)

平成初頭を感じさせるレトロな絵柄

原画家は竹井正樹さん峰堀悠さん

竹井正樹さんは同級生シリーズなどでお馴染みの美少女ゲーム黎明期を代表する原画家さんですね。

瞳や睫毛を大きく描く少女漫画的な表現が印象的な絵柄で、流石に今風の萌え絵を見慣れていると古臭く感じますが、作風にマッチしたグラフィックだったと思います。

ちなみに茂美など一部のサブキャラCGがギャラリーページに登録されなかったので、実際のCG数は上記の表記より多めです。

 

Hシーン

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  • Hシーン数:全10回

より感動できるように配慮されたHシーンが多く実用性は皆無

つばさ、美雨は2回ずつで他は全員1回ずつ用意されています。

純愛ゲーなので大人のお姉さんキャラのめぐみ以外は全員処女設定。

死ぬ前の最後の思い出に抱いてほしい」といった感じで、シナリオをより感動できるようなHシーンばかりなので描写自体は薄く、実用性は皆無です。

 

Hシーン一覧

クリックで表示します
  • 大気:廃校で初体験(正常位)
  • 美雨:美雨の自宅で初体験(浴衣、フェラ、正常位)
  • 美雨:美雨の自宅で初体験②(浴衣、クンニ、正常位、後背位)
  • 空:森で初体験(ドレス、青姦、フェラ、正常位)
  • 白風:主人公の部屋で初体験(正常位)
  • つばさ:丘の上で初体験(屈曲位)
  • つばさ:丘の上で初体験②(対面座位?)
  • メー:メーの家で初体験(フェラ、正常位)
  • 琴羽:屋外で初体験(後背位、正常位)
  • めぐみ:深夜の病院(片足上げ正常位)

 

音楽・ムービー

  • BGM:全37曲
  • OP曲:flutter of birds(アーティスト:中島えりな)
  • ED曲:desire(アーティスト:朝倉有紀)

涙を誘うのに十分な破壊力を持つ挿入歌と豊富な曲数で物語を彩るBGM

ゲームタイトルを冠した、どこか希望を感じる明るい曲調のED曲も良かったですがやっぱり印象的なのは挿入歌の『desire』

流れるタイミングも完璧で、力強くしっとりとした歌声と切なげなメロディが涙を誘い、ヒロインのルート分は聞いたはずなのに少しも感動が薄れない素晴らしい挿入歌でした。

主人公の前では明るく振る舞っていたヒロインが、弱音と本音を泣きながら吐露する場面で背景に感動的な挿入歌が流れてる――みたいな演出、本当に弱いんですよね……><。

今作を泣きゲーたらしめるのは演出と楽曲面の力添えがあったからこそだと思います。

 

BGMも37曲と充実しており、細かく使い分けながら物語を彩ってくれていました。

音数が少なく、グラフィック同様に古臭さを感じるものもありましたが、全体的に落ち着く曲が多く私好み。

音楽面に注力しているように見えて、曲名を一切つけない適当な感じも好感持てますw

個人的に印象に残ったBGMは以下の通り。

  • Track.02
  • Track.19
  • Track.26
  • Track.36

 

システム

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  • CG鑑賞モード、Hシーン回想モード、アルバムモード、音楽鑑賞モードが搭載
  • Windows10(64bit)で動作確認済み(ダウンロード版)

基本的な設定項目は一通り揃っている

FANZAで販売中のダウンロード版はWindows10に正式対応しています。

2001年発売とかなり古い作品ですが、ある程度システムの設定項目は揃っていたので快適な環境でプレイできました。

ただ、コンフィグでいじった内容がゲームを再起動すると初期化されてしまう不具合(仕様?)があったのでそこは少し不便。

 

まとめ

泣きゲー好きにおすすめしたい一作

ルートによってクオリティのバラつきがあったり雰囲気の異なるものもありましたが、1周目の大気ルートは最近で一番泣いた気がします。期待値を遥かに上回るシナリオで、好評なのも納得の出来でした。

絵柄に敬遠せずに、泣きゲー好きの方にはぜひおすすめしたい一作です。特に、keyの作品が好きな方は今作も刺さるんじゃないかなと。

古い作品でも今作のような名作・傑作がまだまだ眠っていると思うとエロゲーマー引退はしばらく先になりそうですね…!死ぬまでにできる限りの作品に触れたいなと改めて思いました(・ω・)