アジアンファンタジーな世界観の乙女ゲーム『赤い砂堕ちる月』。
原作はPC向けの同人ゲームですが、今回はCGやボイスなど追加要素を加えたPS Vita移植版をプレイしました。
作品紹介
- 選択肢とマップ移動で分岐するADVゲームのシステム
- 一部、戦闘パート有り(難易度設定できるので簡単です)
- 名前変更可能(デフォルト名は「春霞」。デフォルトでの名前ボイス呼び有り)
雑感
アジアンファンタジーの世界観とキャラクターたちが魅力的
中国を舞台にしたアジアンファンタジーの世界観なので、聞き馴染みのない単語が頻出し最初は取っつきづらさがあったものの、用語解説モードや作中での説明もあり設定が理解できてからはその世界観にどっぷり浸かってしまいました。
心に決めた主のみ、主人公ちゃんの素顔を見れるという設定が性癖に刺さります。
お互いの気持ちを伝え合い、契約をしてようやく素顔を見れた時の各々の反応にドキドキされっぱなし。
あとは、メインキャラクター5人だけが攻略対象かと思っていたら、親友ポジションの杏紅ルートまであったのはびっくり。しかも、メインキャラクターと遜色ないほどのボリューム。
符術士同士の契約ってアリなの!?と驚きつつも、可愛い系の春霞と綺麗系の杏紅、タイプの異なる美少女たちが仲睦まじく料理をしたりお風呂で語り合う姿は微笑ましいです。
主人公の性格が変化する斬新な設定も面白い
今作の一番の特徴といえば、選択肢によって主人公の性格が5種類に変化するという独創的かつ斬新な設定ですね。
光属性の主人公であれば、引っ込み思案の温厚な性格、水属性なら冷静沈着で物怖じしないクールな性格……など、火・水・風・光・闇の5属性それぞれの性格に変化していきます。
別人かってくらい印象が変わるので違和感はありましたが、これはこれで新鮮でした。
この属性じゃないと攻略できないキャラクターがいるという縛りもないので、お気に入りの属性がいれば全キャラその主人公ちゃんで攻略するのも良し、5属性バラバラで攻略するのも良し、このキャラならこの性格との掛け合いが楽しそうと想像するのも良し……と多彩な楽しみ方ができるのも面白かったです。

スケールの割に小さくまとまってしまった感じは否めない
マイナス面としては、壮大な世界観なのに黒幕を倒すまでの過程があっさり気味だったところでしょうか。
かといって糖度の高いいちゃラブが存分に味わえるというわけでもなく(ラブシーンは終盤にちょこっと)どっちつかずの中途半端な感じは否めません。
スケールの割に小さくまとまってしまった気がするので、欲を言えばもっと重厚かつ血生臭い利権争いを見たかったです。
いちゃラブに関してはおまけシナリオで補完できるんですけど、もっともっと堪能したかった……原作版に18禁描写があれば絶対そっちもプレイしてたと断言できるくらいエロが映えそうなストーリーだったので、ちょっぴり消化不足ですね。
こういった作風の女性向けゲームをプレイするのは初めてでしたが、アジアンファンタジーものが好きな方、歴史ものが好きな方は楽しめる作品だと思うので、気になった方はプレイしてみてください。
原作の同人ゲームのほうが価格は安いんですが、ボイスやおまけシナリオがないのがネックなのでVitaを持っている方であれば移植版をお勧めします!
